NASの見積もりがAmazonの約3倍だったので、自分でSynologyを買った話

会社のデータ保存用にNASを導入しようと思い、〇塚商会へ見積もりを依頼した。

提示された金額は、Amazonで同程度のNASを買った場合のおよそ3倍だった。

もちろん、業者の見積もりにはセットアップやサポートも含まれている。箱だけ売って終わりではない。その分が高くなるのは理解できる。

しかし、3倍である。

NAS本体を買ったうえで、さらにNASを2台買えるくらいの安心料を払うことになる。

しばらく見積書を眺めたあと、AmazonでSynologyを注文した。

Dropboxの機嫌をうかがう生活

NASを導入する前は、会社のファイル共有にDropboxを使っていた。

Dropbox自体は便利だ。しかし、複数のパソコンで大量のファイルを扱い始めると、少しずつ面倒なことが起きる。

同期が終わらない。

ファイルが更新されない。

同じような名前の競合ファイルが作られる。

気がつくとアップデートされ、昨日までと微妙に動きが違う。

誰かのパソコンでは同期されているのに、別のパソコンでは同期されていない。画面には「最新の状態です」と表示されている。

何を基準に最新と言っているのかは、Dropboxにしか分からない。

ファイルを開きたいだけなのに、まず同期アイコンの様子を見る。

仕事を始める前に、クラウドの機嫌を確認する生活になっていた。

Synologyを会社へ置いた

そこで、自分でSynologyのNASを購入し、会社へ設置した。

詳しい手順は省く。

HDDを入れて、ネットワークにつないで、共有フォルダーと利用者を設定した。それだけである。

最初は「会社のデータを自分で設定して、本当に大丈夫なのか」と少し不安だった。

しかし、実際に触ってみると、ブラウザの管理画面から設定できる。想像していたより難しくなかった。

少なくとも、黒い画面へ謎のコマンドを延々と入力するような作業ではない。

導入して1年が経過した

Synologyを導入してから、約1年が経過した。

結論から言うと、中小企業にはちょうどよかった。

大きな不具合はなく、現在も普通に稼働している。

この「普通に動いている」が一番ありがたい。

NASの存在を意識することは、ほとんどない。

社員は共有フォルダーを開き、必要なファイルを保存する。それで終わりだ。

Dropboxを使っていた頃のように、同期が終わるのを待つ必要もない。

同期エラーの原因を探す必要もない。

勝手なアップデートで操作が変わることもない。

ファイルが社内のNASにある。ただそれだけである。

地味だが、会社のファイル共有は地味でいい。

毎週新機能を追加して驚かせてほしいわけではない。昨日と同じように開いて、昨日と同じように保存できればいい。

3倍の見積もりは高かったのか

1年間運用してみた今でも、自分で導入してよかったと思っている。

〇塚商会の見積もりが不当に高かったとは思わない。

業者へ頼めば、選定、設置、設定、説明、トラブル対応まで任せられる。問題が起きたときに電話できる相手も手に入る。

私がAmazonで安く導入できたのは、その仕事と責任を自分で引き受けたからだ。

社内に管理できる人がいない会社なら、業者へ任せる価値はある。

ただ、数人から数十人程度の会社で、複雑な構成を必要とせず、ある程度パソコンに詳しい人がいるなら、Synologyを自分で導入する選択肢は十分に現実的だと思う。

会社に必要だったのは、高度なシステムではなかった

会社が本当に欲しかったのは、豪華なサーバーでも、最新のクラウド機能でもなかった。

必要だったのは、社員が同じ場所へファイルを保存できて、翌日も普通に開ける環境だった。

それだけなら、Synologyで十分だった。

導入から1年。

特に壊れず、目立った不具合もなく、毎日黙って仕事をしている。

派手な成果はない。

しかし、同期エラーに悩まされる時間はなくなった。

勝手なアップデートに振り回されることもなくなった。

誰もNASの話をしなくなった。

会社の設備としては、それが一番の成功なのだと思う。

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